あのハズキルーペのCMも松村謙三自ら制作?

あのハズキルーペのCMも松村謙三自ら制作?

自分の頭で考えることを行動規範とする松村謙三さんは、有名なハズキルーペのCMも自分でアイディアを出し制作の指揮を執りました。実業家としての資質と経験、マーケティング戦略に長けた松村謙三さんだからこそできたことでしょう。

ここでは、大ヒットしたハズキルーペ誕生の経緯と、CM制作の裏話を紹介します。

ハズキルーペが誕生した経緯

ハズキルーペの原型となったのは、タカラトミーから買収したHazuki Companyが販売していた「ペアルーペ」です。目立った商品ではなく売り上げも伸び悩んでいたのですが、CMに宝田明を起用したところ驚異的な売り上げを記録しました。

松村謙三さんは、これを受けて広告戦略の重要性を確信し、初期投資額40億円をかけて世界最新鋭の工場を作り「ペアルーペ」を「ハズキルーペ」としてリニューアル販売します。 最新鋭の全自動化ラインで作られたハズキルーペの圧倒的なクオリティは、類似品や他社製品の追随を許しません。

CM誕生秘話

松村謙三さんは「ペアルーペ」CMへの宝田明さんの起用により、同世代の有名人が商品をアピールすることの宣伝効果の高さを実感します。そこで、ハズキルーペには石坂浩二さん、舘ひろしさん、渡辺謙さんと世代の異なる有名俳優を起用しました。

これが見事に的中して幅広い顧客層を獲得し、40代の菊川怜さんも加わって、さらに低年齢の顧客獲得に成功します。特に、渡辺謙さんの起用は父の日の売上増につながり、メガネが贈り物となることを世間に認識させました。

広告宣伝費は100億円以上?!

ハズキルーペを売るための宣伝広告費やメディア費は100億円以上と言われています。広告戦略の指揮を執った松村謙三さんは、基本的にコスト意識の高い方ですが、投資すべきところには惜しみなく投資する方で、特にクリエイティブな部分は手を抜きません。

松村謙三さんはCM戦略成功後もハズキルーペの宣伝広告費に年間100億円をかけると公言し、海外マーケットを視野に欧州と北米への展開を進めています。

松村謙三が会長を務めるHazuki Company

松村謙三が会長を務めるHazuki Company

Hazuki Companyは、松村謙三さんのプリヴェ企業再生グループがタカラトミーから買収した5社のうちの一社です。買収前は、委託製造によって販売する商社的な企業でしたが、プリヴェ企業再生グループの指導のもと、自立した会社として再生します。

物流は東武鉄道から買収したプリヴェ運輸が、製造は同じく買収した神田通信工業が担当し、自社のブランド企画に基づいて自社で製造した高利益率の商品を、自社の物流管理のもとで販売するビジネスモデルを確立しました。 主力商品であるハズキルーペの販売本数は500万本を超え、すでに海外マーケットを視野に入れた展開を始めています。

CM制作と企業買収・再生を記した著書を出版

CM制作と企業買収・再生を記した著書を出版

松村謙三さんは2019年5月、ハズキルーペのCM制作にまつわる話と自身の企業買収・再生の経験をもとにした著書を出版しました。

タイトルを「自分の頭で考える」として、CM作り素人の経営者が年間CMグランプリ3賞を獲得できた理由と、ハズキルーペが売れるまでの経緯、松村謙三さんによる企業買収と再生について語られています。

日産や富士通など、名だたる大手企業からの買収の舞台裏が、松村謙三さんの生の言葉でつづられた熱い内容で、ビジネスのヒントとなる一冊として人気を集めています。